賃貸住宅でも後付可能な「長押」
「長押(なげし)」というのは和室でよく見かける、扉の上部分の高さに合わせてつけられている木製の板のことです。
一見するとただのデザインのように思えますが、実際はかなり使い勝手のよい便利な住宅設備の一つとなっています。
長押の歴史としては、かつては柱の頂部につけられていた「頭貫」という、建材を接続する目的でつくられていました。
現代的な設計による洋間では住宅補強としての意味合いはないのですが、ハンガーレールとしての使用を前提に取り付けられていることが大半です。
長押は一般的に上部が壁から数センチ隙間になっているので、そこにハンガーをかけることができます。
ハンガー以外にもS字フックなどでぶら下げ収納をすることができるので、壁に穴を開けることなく壁面を収納として有効に利用することが可能です。
壁に穴を開けることができない賃貸住宅においても、この長押は自由に利用しても構わないとしているところも多く、実用にもインテリアにも幅広く使用されます。
これからマンションを改築したり、自分で住宅設備を考えるというときなら、ぜひともこの長押をそれぞれの部屋に設置しておくことがおすすめです。
古い賃貸住宅など最初から長押がないという場合も、後付で設置することができるので諦めないでください。
ホームセンターなどでは後からつけられるタイプの長押を便利グッズとして売っていたりしますので、そうしたものを使えば手軽に部屋を広く使っていくことができます。
無印良品の「壁につけられる家具」を使ってみる
後付タイプの長押はいくつかのメーカー品がありますが、おすすめなのが無印良品の「壁につけられる家具」の長押です。
88cmタイプで2800円なので、部屋の広さや用途に応じて増やしていくことができます。
この無印良品の長押は壁の穴が見えにくい専用フックピンを使用するようになっており、指したピンに板を取り付けるだけで簡単に設置ができます。
説明書を見ながら丁寧に作業していけば間違うこともなく、慣れれば10分くらいで設置が完了するでしょう。
長押の有効活用として、まずおすすめしたいのがハンガーフックとしての使用です。
長押に引っ掛けるタイプのフックは多く販売されていますし、洋服用ハンガーならそのままぶら下げることができます。
後付タイプの場合は重量に制限がありますが、上手に使えば観葉植物や絵画などのインテリアをおしゃれに吊り下げることが可能です。
玄関先なら鍵用のホルダーやコートハンガーとしても使用ができるので、室内の用途に応じて複数設置をしてみると良いでしょう。
賃貸住宅の場合は基本的に外してから退去をすることになりますが、大家さんに相談をすることで、場合によってはそのまま設置していてもよいことになります。